1973年製　ナショナル/テクニクス　SU-3100プリメインアンプ整備完全動作。松下電機が70年初頭に製造していたアンチウィスカ小信号TR搭載のロットです。貴族的品格のある佇まいから吐き出されるサウンドは、「ウェットな質感の濃厚さと、艶のある非常に澄んだ音色を芯の鮮明な音像で構築する様式美系の一台。」濃厚なミッドレンジを基調に、馬力ある低域、鈴の音のような高域との調和は涙腺をも刺激。当時の旧松下の底力に驚愕しまくる逸品に仕上がっています。メーター動作はどのロットも控えめで、ボリューム12時位置で6、9時位置ではあまり動かない仕様ですが、緑に光る文字盤が、時代を超越した光点の美学の普遍性を語りかけてくる印象を放ちます。このモデルは、当時水面下で多少の仕様変更が繰り返され、今回のロットはとりわけ瑞々しい質感の音色に仕上がっています。パネルの仕様と基盤裏の部品や挿入箇所の異なるものが数パターン存在します。出力コンデンサを持つ準コンプリの初期型のトランジスタアンプで、カタログスペックでは計れない爆裂な重厚音圧、また準コンプリのアンプの中でも、非常に洗練された繊細な表現も徹底しており、「濃厚に切れ込む瑞々しい音色」という表現が何度も使いたくなる、そんなモデルです。音も洗練されていますが、造り込みも圧巻で分厚いパネル、アルミ無垢のパネルサイドリム、シャーシフレーム、剛性抜群の分厚い装甲をマテリアルとし、貴族的品格を漂わせる美しいパネルデザインは正に公家仕様と謂わしめる圧倒的オーラを漂わせます。トラディショナルでメカニカルな雰囲気の逸品であるとともに、現代の薄っぺらなアンプを雷土で叩き潰すかの如き濃厚で瑞々しい音色は、出力装置の歴史は進化ではなく、試行錯誤の退化の道を歩んできたということを痛感し、また70年初期のトランジスタアンプの真の力を垣間見ることができるでしょう。これらのアンプは40年以上の時を経て、PC音源との絶大なマッチングで第二の潜在能力を開花させる時代に突入しています。ヴィンテージアンプの伝説を、当時の技術者へのリスペクトを込めて降臨致します。無言即購入可、交渉もOK。#プリメインアンプ#アンプ#ヴィンテージ#アンティーク